日光山御領知目録(読み)につこうさんごりようちもくろく

日本歴史地名大系 「日光山御領知目録」の解説

日光山御領知目録
につこうさんごりようちもくろく

写本 国立公文書館

解説 天正一八年日光山は豊臣秀吉によって、屋敷門前足尾村を残して領地をことごとく没収された。しかし元和三年の徳川家康廟、さらに慶安四年の徳川家光廟建立などに伴い、逐次幕府から領地が寄進された。元和六年には日光山領一千四〇〇石・東照大権現社領五千石、承応二年大猷院領三千六〇〇石が寄進され、明暦元年は東照宮領として一万石、大猷院領として三千六〇〇石として安堵された。これらの寄進・安堵に関する史料は「日光山御判物之写」「日光山御宮方書物之写」(国立公文書館蔵)に収められている。寛文六年に日光領全村で検地が実施された。この時の打出分七千一一五石余と元禄一三年の足知六ヵ村・三千八〇一石余を合せた同一四年の領知目録では、日光領は七五ヵ村・実高二万四千六〇七石余とされた。これ以後、新田の開発に若干変動があったものの、幕末に至るまで大きな変化はない。したがって、元禄一四年の日光領目録は日光領の基本規模を示すといえる。

活字本栃木県史」史料編近世六(抄録)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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