日出庄(読み)ひじのしよう

日本歴史地名大系 「日出庄」の解説

日出庄
ひじのしよう

現日出町のうち江戸時代の日出城下・日出村・川崎かわさき村・辻間つじま(津島)村の地域に比定される宇佐宮神宮寺弥勒寺領庄園。文治二年(一一八六)四月一三日の後白河院庁下文案(益永家記録)に弥勒寺領「浦部拾伍箇庄」の一として日出庄がみえる。浦部十五箇庄は一二世紀半ばから豊後国司源兼季や知行国主藤原頼輔の乱妨押領にあっていたが、このとき寺家の訴えにより院庁は寺家に返付するよう命じている。ただしこの時期、弥勒寺領は実質的には山城石清水いわしみず八幡宮別当の善法寺家の家領と同様になっており、これ以後、領家や預所が設置され、当庄でも建久九年(一一九八)三月二七日の留守所下文(城内文書)や建暦元年(一二一一)一〇月二七日付の預所下文(同文書)、寛喜三年(一二三一)九月一四日の領家安堵状(案、同文書)などがみられるようになる。

文治年中に原図が作成された宇佐宮仮殿地判指図(宇佐神宮蔵)によれば、当庄は宇佐宮仮殿造営の豊後一国役として「若宮西生枝垣十七間内」の二間分を負担している。年月日未詳弥勒寺領諸庄供米注文(永弘文書)では日出庄は供米を四斗負担している。田数は年月日未詳の弥勒寺喜多院所領注進状(石清水文書)では五〇町である。ところが豊後国弘安図田帳では大神おおが庄一七〇町のうちに「日出・津島七十町」とあり独立した庄園としては扱われていない。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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