日本人妻里帰り問題(読み)にほんじんづまさとがえりもんだい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日本人妻里帰り問題」の意味・わかりやすい解説

日本人妻里帰り問題
にほんじんづまさとがえりもんだい

1959年の在日朝鮮人帰還協定に基づいて,在日朝鮮人の夫や子供とともに朝鮮民主主義人民共和国 (北朝鮮) に渡ったままになっている日本人女性の里帰り問題。北朝鮮には現在,日本側で消息を確認できるだけで 500人前後の日本人妻がいるといわれるが,日朝関係の正常化が進展しない状況下で里帰りは認められないままだった。日本政府は 91~92年の国交正常化交渉以来,日本人妻安否の調査と里帰り促進の要求を続けていた。 97年に入り北朝鮮側が深刻な食糧事情や国際的孤立を背景に交渉に応じる意向を示し,8月の予備会談を経て9月の日朝赤十字会談で「毎回 10~15人,滞在は1週間程度」の里帰りに合意した。それに基づき 11月,第1陣 15人が,98年1月には第2陣 12人がそれぞれ 40年ぶりに故郷へ里帰りした。

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