日本銀行納付金(読み)にほんぎんこうのうふきん

改訂新版 世界大百科事典 「日本銀行納付金」の意味・わかりやすい解説

日本銀行納付金 (にほんぎんこうのうふきん)

日本銀行政府に納付する経理上の剰余金(利益金)。日銀は毎年度の剰余金から法定準備金(損失塡補(てんぽ)および配当準備のため,剰余金の5%),別途積立金配当金(最高年5%)を差し引いた残額を当年度末後2ヵ月以内にすべて政府(一般会計)に納付しなくてはならない(日本銀行法39条)。こうした全額納付金制度は,銀行券の独占的発行に由来する日銀の剰余金は原則として国庫に帰属すべきであるという考え方に基づいている。しかし,日銀は経理上不利と認められる取引であっても金融政策上これを行わなければならない場合が少なくない。このため,日銀が政策遂行に当たって経理面から不安を生ずることのないよう,日ごろから別途積立金の活用により十分な内部留保を確保しておくことが必要であることはいうまでもない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 鈴木

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む