会社法上、会社がその積立てを強制されている準備金(会社法445条)。法定準備金は資本準備金と利益準備金からなり、資本金とともに配当に利用することは原則として禁じられている。資本準備金は、資本取引から生じたものであり、会計的な性格は資本金と異ならないため、分配可能額(会社法461条)の算定にあたっては除外される。利益準備金は、会社が獲得した利益の留保であり、本来、株主に分配しても債権者の利益を害することはない。それにもかかわらず会社法が分配可能額の算定にあたって除外しているが、それは会社の純資産の額の厚みを増すことで、積極的な債権者保護目的を達成するためである。
資本準備金は株主による払込み取引から生ずる株式払込剰余金のほか、合併、吸収分割、新設分割、株式交換または株式移転に際しても生じる。その額は、会社計算規則第58条以下で定められているが、基本的には会社が任意で決めることができるとされている。
資本準備金は、減少させることができる。この場合、資本金を増加させるか(会社法448条)、またはその他資本剰余金を増加させねばならない(会社計算規則49条・50条)。
利益準備金は、資本準備金の額とあわせて資本金の4分の1に達するまで、剰余金の配当により減少する剰余金の額の10分の1を積み立てる必要がある。なお、剰余金の配当がその他資本剰余金からの配当である場合には、資本準備金を積み立てる。
利益準備金は、減少させることができる。この場合、その他利益剰余金を増加させねばならない(会社計算規則51条・52条)。
[万代勝信]
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…積立金または剰余金とも称されるが,準備金は利益の算出に当たり純資産額から控除されるべき計算上の数額にすぎないのであって,特別の具体的な財産をいうのではない。これには,法定準備金と任意準備金がある。以下,株式会社の場合を中心に説明する。…
※「法定準備金」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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