日生村(読み)ひなせむら

日本歴史地名大系 「日生村」の解説

日生村
ひなせむら

[現在地名]日生町日生

和気郡東南部の瀬戸内海沿岸に位置。南方鹿久居かくい島・つる島・こう(鴻)島・(曾)島・首切くびきり島・大多府おおたぶ島があり、枝村に木壬きぶがある(備前記)中世には新田新にうたしん庄に含まれ、応永二一年(一四一四)、「日生」の右衛門丞などが紀州熊野山に参詣している(同年三月「新田新庄参詣者交名願文」和鋼記念館所蔵文書)。また文安元年(一四四四)の同願文(同文書)に「日生村」「中日生村」がみえる。同二年の「兵庫北関入船納帳」によれば、生海子を積んだ「日成」からの船が兵庫北関へ入港している。慶長一八年(一六一三)の和気郡御勘定帳によると、物成三八石余、夫米二石余・加子米一六石余。寛永備前国絵図では高八三石余。貞享元年(一六八四)の和気郡高目録(池田家文庫)によると寛永五年(一六二八)検地があり、高一四七石余。享保六年(一七二一)には田畑一五町四反余、家数一六三・人数九二二、池三、小猟船より二一端帆までの船四六、枝村として大多府がある(備陽記)

近世初頭から加子浦として、輸送関係の負担に従事し、専用漁場の用益を保障されていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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