朝日日本歴史人物事典 「日祐」の解説
日祐
生年:永仁6(1298)
鎌倉末・南北朝期の日蓮宗の僧。中山法華経寺の教団体制を確立した。千葉胤貞の猶子で日高の弟子となり,日高の没後,中山法華経寺第3世貫主に就任,時に正和3(1314)年,17歳。義父の千葉胤貞の下総,上総(千葉県)にわたる寺領寄進を受けるなどの経済的援助を受け,同寺の教団発展に専心した。その様子は彼の『一期所修善根記録』に詳細である。彼は先師・先祖の追善供養を日々に怠らず修し,併せて仏堂,御影堂などの寺観を整備しながら,足利尊氏への「法門訴訟」を含めて4度も上洛。『本尊聖教録』も作成。<参考文献>中尾尭『日蓮宗の成立と展開』
(佐々木馨)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報