朝日日本歴史人物事典 「日誉」の解説
日誉
生年:弘治2(1556)
江戸前期の新義真言宗の僧。日祐ともいう。智山派の実質的創立者。武蔵国出身。15歳で出家。30歳のとき根来山に登り日秀,頼玄に師事したが,天正13(1585)年秀吉軍の焼き打ちに遭遇し高野山へ避難。次いで長谷寺の専誉,京都の玄宥という新義真言の両巨頭に学ぶ。徳川家康の知遇を得て,慶長17(1612)年智山第3世能化(学頭)に就任。元和1(1615)年智積院を拠点とし智山派隆盛の基礎を築いた。学問僧として明晰な論理と卓越した弁論の技術を持つとともに,政治的手腕にも優れていた。著書は『根嶺破滅記』など。弟子に秀算,元寿がいる。<参考文献>村山正栄『智積院史』
(正木晃)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報