朝日日本歴史人物事典 「日講」の解説
日講
生年:寛永3(1626)
江戸前期の日蓮宗の僧。安国院という。不受不施派講門派の祖。京都妙覚寺日習に師事,のち関東,東北を遊学。日習没後,下総(千葉県)野呂妙興寺檀林(学問所)に招かれ,20世の能化となる。江戸幕府の不受不施派迫害が強化されるとこれに対抗。幕府からの供養を拒否して不受不施を貫こうとしたため,寛文6(1666)年日向(宮崎県)の佐土原へ流罪となる。佐土原では法華経や日蓮遺文,漢籍などの講義を行い,領主をはじめ人々から崇敬を集めた。日蓮遺文に詳しい註釈を加えた『録内啓蒙』は配所で著された。<参考文献>影山尭雄編『日蓮宗不受不施派の研究』
(佐藤弘夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報