宮崎県中部、宮崎郡にあった旧町名(佐土原町(ちょう))。現在は宮崎市の北部を占める地域。一ツ瀬(ひとつせ)川下流右岸に位置する。旧佐土原町は1896年(明治29)町制施行。1955年(昭和30)那珂(なか)村、1958年広瀬(ひろせ)町と合併。2006年(平成18)宮崎市に編入。佐土原の地名は鎌倉時代にはみえ、里原(さとはら)の意味という。一ツ瀬川右岸の沖積平野、丘陵性の洪積台地からなり、臨海部には砂丘もみられる。JR日豊(にっぽう)本線、国道10号、219号が通じる。島津氏(佐土原藩2万7000石)が支配した旧城下町。城跡は残っていないが、1993年(平成5)に佐土原城跡歴史資料館「鶴松館」が開館した。ビニルハウスによる施設園芸が盛んで、キュウリ、ピーマン、ショウガ、花卉(かき)などが栽培されている。中心地は城下町佐土原と日豊本線の通る広瀬の二つがあり、近年は宮崎市郊外の住宅地区として発展している。観光地に宮崎サファリパークが知られたが1986年閉園した。郷土玩具(がんぐ)「佐土原人形」「うずら車」が名高い。国の重要文化財として、大光寺(だいこうじ)の木造騎獅文殊菩薩(もんじゅぼさつ)及脇侍像(附木造天蓋一面)、巨田神社(こた)本殿などがある。
[横山淳一]
『『佐土原町史』(1982・佐土原町)』
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