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デジタル大辞泉の解説

い[五十音]

五十音図ア行の第2音。五母音の一。前舌の閉母音。[i]
平仮名「い」は「以」の草体から。片仮名「イ」は「伊」の偏。
いろは歌の第1文字。仮名がしら。
[補説]五十音図ヤ行の第2音としても重出。

い[終助・間助・副助]

[終助]文末の助動詞「た」「だ」、禁止の意の終助詞「な」、質問の意の「か」、動詞の命令形などに付く。
親しみを込めて質問する意を表す。「何を悩んでいるんだ」「君も行くか
軽蔑したり、反発したり、詰問したりする意を表す。「何度言ったら分かるんだ」「なんだ、君らしくもない」
投げやりな気持ちやあきらめの意を表す。「勝手にしろ」「どうせ負けるに決まっているんだ
念を押したり、語調を強めたりする意を表す。「じゃまをするな」「とっとと寝ろ」「絶対に海に行くんだ」→いのかいわい
[間助]体言、活用語の連体形に付く。上接の語を特に示したり、語調を強めたりする。
「青柳(あをやぎ)の糸の細(くは)しさ春風に乱れぬ―間に見せむ児(こ)もがも」〈・一八五一〉
[副助]名詞、名詞に準じる語に付く。上接の語を特に示したり、語調を強めたりする。
「一日(ひとひ)だに君―しなくは堪(あ)へかたきかも」〈・五三七〉
[補説]は終助詞「よ」あるいは係助詞「や」の音変化という。多く男性がくだけた会話の中で用いる。は上代語。平安時代では漢文訓読体の文中にみられるだけである。をまとめて、間投助詞とする説や格助詞とする説などもある。

い[接頭]

[接頭]動詞に付いて、意味を強めたり、語調を整えたりする。「漕(こ)ぐ」「隠る」「行く」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

大辞林 第三版の解説

五十音図ア行第二段の仮名。五十音図ヤ行第二段の仮名としても重出。前舌の狭母音。
平仮名「い」は「以」の草体。片仮名「イ」は「伊」の偏。
「いろは歌」の第一文字。仮名がしら。

〔上代語。平安時代には、限られた経典の訓読にのみ用いられ、院政時代以降は消滅した〕
( 格助 )
名詞・または名詞的な語に付く。主格を強めて示す。「いは」「いし」などの形が多い。 「紀伊の関守-留とどめてむかも/万葉集 545
( 終助 )
と同系の語。活用語の連体形よりなる文節に付く。語勢を強める。ね。よ。 「玉の緒の絶えじ-妹いもと/万葉集 481

( 終助 )
〔終助詞「や」の転。近世以降の語。主として男性に用いられる〕
文の末尾に接続する。
念を押したり、語気を強めたりする気持ちを添える。多く「だい」「わい」「ない」の形をとる。 「これ、ぼくのだ-」 「いっぱい食わされたわ-」 「むちゃをするな-」 「早くしろ-」
質問や反問の意を強める。多く「かい」「だい」の形をとる。 「何か食べるものはないか-」 「なんだ-。またこれか」 「ほんとに君にできるか-」
軽蔑や投げやりの気持ちをこめて、言い返す場合に用いる。 「なに言ってるんだ-」 「勝手にしろ-」 「ぼくにそんなことができるか-」
(多く「いの」の形で)名詞に付き、呼びかけの気持ちを表す。 「かか様-の、かか様-のと夜なか時分に泣いて/歌舞伎・傾城江戸桜」

( 接頭 )
動詞に付いて語調を整えたり、意味を強めたりするのに用いられる。 「 -行く」 「 -隠る」

( 接尾 )
名詞または名詞的な語に付いて、形容詞を作る。 「四角-」 「黄色-」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


五十音図第1行第2段の仮名。平仮名の「い」は「以」の草体から、片仮名の「イ」は「伊」の偏からできたものである。万葉仮名では「伊、以、異、夷、已(以上音仮名)、射(訓仮名)」などが使われた。ほかに草仮名としては「(伊)」「(移)」「(意)」などがある。音韻的には5母音(ぼいん)の一つ/i/核にあたり、前舌狭母音である。イ段長音の引き音節部分を表し(「おにいさん」「おじいさん」)、また「クィーン」「パーティー」「フィルム」などのように、外国語を表記する際に小文字で添えられもする。
 古くワ行の「ゐ」「ヰ」はこれと別音で、/wi/を表した仮名であり、「ゐ」は「為」の草体から、「ヰ」は「井」の字形変化したものである。万葉仮名では「韋、位、偉、為、委(以上音仮名)、井、猪、居(以上訓仮名)」などが使われた。ほかに草仮名としては「(委)」「(遺)」などがある。[上野和昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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