日本歴史地名大系 「旧板野郡地区」の解説 旧板野郡地区きゆういたのぐんちく 徳島県:徳島市旧板野郡地区徳島市の北部、吉野川最下流左岸のデルタ地帯を占める。寛文四年(一六六四)までは板東(ばんどう)郡、以後は板野郡に属した。旧高旧領取調帳によれば板野郡に属する二一ヵ村があった。近世の当地一帯は吉野川の分流である別宮(べつく)川(現吉野川)・今切(いまぎれ)川などが曲流、それぞれの河口は別宮口・今切口などと称され、河川交通・海運の拠点として栄えた。河口近くの原野では近世後期になると新田開発が進められ、多くの新田が開かれた。南北に撫養(むや)(現鳴門市)方面と結ぶ淡路街道(現主要地方道徳島―鳴門線の西側を通った)と下寄(しもより)街道(現在の県道川内―大代線にほぼ相当する)が通り、渡しも多数設置されていた。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報