旻天(読み)ビンテン

デジタル大辞泉 「旻天」の意味・読み・例文・類語

びん‐てん【×旻天】

そら。天。
万物の―から要求して然るべき権利である」〈漱石吾輩は猫である
秋の空。秋天秋旻

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「旻天」の意味・読み・例文・類語

びん‐てん【旻天】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ひんてん」とも )
  2. そら。天。
    1. [初出の実例]「旻天の冥感にやあらん」(出典:蘭東事始(1815)下)
    2. 「休養は万物の旻天から要求して然るべき権利である」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉五)
    3. [その他の文献]〔書経‐大禹謨〕
  3. 秋のそら。秋の天。
    1. [初出の実例]「月前感緒素難耐、何况旻天三五光」(出典:本朝無題詩(1162‐64頃)三・月下即事〈藤原周光〉)
    2. [その他の文献]〔爾雅‐釈天〕

旻天の補助注記

「旻」は「閔」で、あわれむ、いたむの意がある。万物をあわれみおおうところから「天」、万物の凋落をいたむところから「秋天」の意として用いられると説かれている。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「旻天」の読み・字形・画数・意味

【旻天】びんてん

そら。天。〔書、多士〕惟(こ)れ三初めて新邑洛に于(おい)て、用(もつ)て王の士にぐ。王(かくのごと)く曰く、爾(なんぢ)殷のれる多士よ。弗弔(ふしゆく)(不淑)なる旻天、大いに喪を殷にす。我が、命に佑(たす)けられ、~殷の命を(ただ)してへしむ。

字通「旻」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android