普及版 字通 「昜」の読み・字形・画数・意味
昜
9画
[字訓] ひかり
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 象形
台上に玉をおき、その玉光が下方に放射する形。もと玉光をいう字である。それを魂振りの儀礼に用いたので、飛揚の意がある。〔説文〕九下に「開くなり。日と一と勿(ふつ)とに從ふ。一に曰く、飛揚するなり。一に曰く、長なり。一に曰く、彊(つよ)き衆(おほ)き皃なり」と三義を列する。揚・長・彊はみな畳韻の字。〔伝〕に「日は開なる以なり。會」とするが、昜は全体を象形として解するのがよい。金文に「對揚」という語があり、恩命にこたえる意。その揚をに作ることが多く、これは台上の玉を捧げる形。魂振りの呪儀を以て、恩命にこたえる意を示す。昜声の字に、その義を承けるものが多い。
[訓義]
1. ひかり、玉の光、玉の光を以て魂振りする。
2. 陽の初文、陽は聖所に玉をおく意。
[古辞書の訓]
〔新字鏡〕昜 日見(あら)はるるなり。暉なり。光なり。比乃加佐(ひのかさ)〔名義抄〕昜 古の飛なり。トブ
[声系]
〔説文〕に昜声として、・・揚・場・陽・(傷)および(しよう)声を加えて二十七字を収める。・場はともに道上祭、墓の玄室に入る羨道(えんどう)で行う鎮魂の儀で、古くは玉を呪器として用いたのであろう。(よう)は宗に祭る玉器をいう。
[語系]
昜・・揚・・陽jiangは同声。昜は玉を揚げて魂振りする意。昜声の字にまた多く高揚の意がある。瘍jiang、痒ziangは傷つけられた状態をいう。声の字は傷・慯・殤sjiangなど、みな昜を上から覆う形で、魂振りと逆の場合、それで創・愴・瘡tshiangと近い意となる。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報