時じ(読み)トキジ

デジタル大辞泉 「時じ」の意味・読み・例文・類語

とき・じ【時じ】

[形シク]名詞「時」に打消しの意を添える接尾語「じ」がついて形容詞化した語》
その時節ではない。季節はずれである。
「我がやどの―・じき藤のめづらしく今も見てしか妹が笑まひを」〈・一六二七〉
時節を問わない。時を選ばない。
小治田をはりだの年魚道あゆぢの水を間なくそ人は汲むといふ―・じくそ人は飲むといふ」〈・三二六〇〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「時じ」の意味・読み・例文・類語

とき‐じ【時じ】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙 ( 「じ」は形容詞を作る接尾語 )
  2. 時はずれである。時節はずれである。その時ではない。
    1. [初出の実例]「国見する 筑波の山を 冬こもり 時敷(ときじき)時と 見ずて行かば まして恋しみ」(出典万葉集(8C後)三・三八二)
  3. 時節に関係なくいつもある。常にある。絶え間ない。→時(とき)じく
    1. [初出の実例]「み芳野の 耳我の山に 時自久(ときジク)そ 雪は降るといふ〈略〉その雪の 不時(ときじき)が如」(出典:万葉集(8C後)一・二六)

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