筑波(読み)つくば

精選版 日本国語大辞典 「筑波」の意味・読み・例文・類語

つくば【筑波】

(古くは「つくは」)
[一] 大化改新による国郡制定の以前、茨城県筑波山南西側のふもと一帯を占めていた国。
書紀(720)景行四〇年是歳・歌謡新治(にひばり)玖波(ツクハ)を過ぎて 幾夜か寝つる」
[二] 「つくばさん(筑波山)」の略。
[三] (つくば) 茨城県南西部の地名。筑波山の南麓、小貝川・桜川の流域にある。昭和三八年(一九六三)筑波研究学園都市に指定され、大学・研究施設の進出とともに発展。同六二年大穂町・谷田部町豊里町桜村が合体して市制

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デジタル大辞泉 「筑波」の意味・読み・例文・類語

つくば【筑波】

《古くは「つくは」》茨城県、筑波山南側の地域名。
(「つくば」と書く)茨城県南西部の市。筑波郡大穂おおほ・豊里・谷田部やたべ町と新治郡桜村が合併して、昭和62年(1987)成立。翌年、筑波町を、平成14年(2002)茎崎町を合併。人口21.5万(2010)。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「筑波」の意味・わかりやすい解説

筑波
つくば

茨城県つくば市北部の地区。旧筑波町。1988年(昭和63)つくば市に編入。筑波山の南西麓(ろく)に位置する。古代に筑波山信仰で開け、平安初期に筑波山寺(中禅(ちゅうぜん)寺)が創建されて門前町筑波が形成された。地区内の小田(おだ)は小田氏の居城地、北条は筑波山神社参道の要路にあたる商業地で、繁栄した。近世は、筑波は寺社領、そのほかは土浦藩領であった。北畠親房(きたばたけちかふさ)が『神皇正統記』を著した小田城跡は国指定史跡。

[櫻井明俊]

『『筑波町史史料集』全4巻(1978~1981・筑波町)』

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改訂新版 世界大百科事典 「筑波」の意味・わかりやすい解説

筑波 (つくば)

茨城県西部,筑波郡の旧町。1988年つくば市に編入。筑波山の南斜面と山麓の台地,低地を占め,中央を桜川が流れる。古くから開けた地で古代の条里制の遺構が残り,水守(みもり)は平将門の乱で反将門軍の拠点となった。北条付近の多気(たけ)には平安時代に大掾(だいじよう)氏が拠ったが,鎌倉初期に小田氏に追い落とされた。小田氏が築いた小田城では南北朝期に北畠親房が《神皇正統記》を著している。中心集落の北条は古くは筑波山の登山口で,周辺農村の小商業中心をなし,山麓南斜面にある筑波は筑波山神社の鳥居前町として栄えた。米作のほか養豚,タバコの生産が行われ,西部の台地では芝の栽培が多い。筑波山の山腹ではミカンが栽培され,八郷町(現,石岡市)と並んで商業的生産の北限をなす。筑波山一帯は水郷筑波国定公園に指定され,筑波スカイライン,ロープウェー,ケーブルカー,自然研究路などが整備されている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「筑波」の意味・わかりやすい解説

筑波
つくば

茨城県南西部,つくば市北部の地区。旧町名。 1988年つくば市に編入。鎌倉時代初期筑波山神社が造営され,江戸時代には幕府の信仰を得て多くの参拝者を集めた。中心集落の北条はその門前町として発達,現在は筑波山の登山・観光基地。小田地区に北畠親房の居城,小田城跡がある。耕地の過半は水田で,南部の台地は筑波研究学園都市地域の一部。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「筑波」の解説

つくば【筑波】

茨城の日本酒。酒名は、霊峰・筑波山にちなみ命名。特別純米酒以上の高級ブランドで、大吟醸酒、純米大吟醸酒、純米吟醸酒、吟醸酒、特別純米酒をラインナップ。平成9、12、13、17、18、25年度全国新酒鑑評会で金賞受賞。原料米は山田錦、雄町など。仕込み水は筑波山系の伏流水。蔵元の「石岡酒造」は元禄年間(1688~1704)創業。所在地は石岡市東大橋字深久保。

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デジタル大辞泉プラス 「筑波」の解説

筑波〔栗〕

茨城県、愛媛県大洲市で生産されるクリ。中生。粒は20~25グラム程度とやや大きめ。果肉は淡黄色で食味は粉質、甘み・香りとも強い。「岸根」と「芳養玉」を交配した旧果樹研究所による育成品種。1959年に命名。

筑波〔巡洋戦艦〕

日本海軍の巡洋戦艦(巡洋艦)。筑波型巡洋戦艦の1番艦。1912年に巡洋艦から類別変更された戦艦。1905年進水、1907年就役。1917年、火薬庫の爆発事故により大破、除籍。

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