日本歴史地名大系 「曳田川」の解説 曳田川ひけたがわ 鳥取県:八頭郡河原町曳田川河原町域西端の高(たか)山(一〇五三・六メートル)南麓を水源とし、東流して曳田で千代川に合流する一級河川。延長九・二四キロ、流域面積四七・六平方キロ。中井(なかい)で小河内(おごうち)川(一級河川、延長三・五キロ、流域面積七・八平方キロ)を合流し、最上流部は県指定名勝の三滝(みたき)渓として知られる。川名は「和名抄」にみえる八上(やかみ)郡曳田郷に由来する。藩政期には当川および小河内川流域の曳田・天神原(てんじんばら)・中井・牛戸(うしと)・湯谷(ゆだに)・小畑(おばた)・弓河内(ゆみごうち)・北(きた)・鹿野(しかの)・本角(ほんずみ)・小河内・神馬(かんば)の一二ヵ村が曳田郷を形成しており、同郷は曳田谷と称されていた(因幡志)。「因幡民談記」に曳田谷の村々は上中下の鼻紙を多く漉出すとあり、紙漉の盛んな地としても知られる。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報