書生節(読み)ショセイブシ

デジタル大辞泉 「書生節」の意味・読み・例文・類語

しょせい‐ぶし【書生節】

明治6年(1873)ごろからはやりだした流行歌。「書生書生と軽蔑するな、末は太政官のお役人」が原歌。

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精選版 日本国語大辞典 「書生節」の意味・読み・例文・類語

しょせい‐ぶし【書生節】

  1. 〘 名詞 〙 流行歌の一つ。
  2. 書生たちの大政治家への夢をうたったもの。明治三~一四年(一八七〇‐八一)頃、歌詞が変化しながら流行した。上の句は「書生書生と軽蔑するな」で、それに「今の太政官はみな書生」(明治三~四年)や「末は太政官のお役人」(明治六~七年)、「仏蘭西ナポレオン元は書生」(明治一四~一五年)などの下の句をつけた。
  3. 演歌師が、明治三五年(一九〇二)頃、以前の書生節を改めて、演歌演目に加えたもの。
    1. [初出の実例]「うしろの空き地では、書生節のヴァイオリンと、〈略〉それぞれ黒山の聴手にかこまれて、一種異様の二重奏をやってゐた」(出典:猟奇の果(1930)〈江戸川乱歩〉奇蹟のブローカーと自称する美青年のこと)

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世界大百科事典(旧版)内の書生節の言及

【演歌】より

…ところが日清戦争後は,政治的土壌や国内思潮の変化とも相まって激烈な歌詞は影をひそめ,月琴(げつきん)を携えた書生が男女間の愛情をテーマにしはじめた。〈書生節〉や〈演歌師〉という名称も一般的となり,新たに風紀や治安問題がかしましくなった。演歌は,硬派から軟派へと変わりはじめたのである。…

※「書生節」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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