月股村(読み)つきまたむら

日本歴史地名大系 「月股村」の解説

月股村
つきまたむら

[現在地名]院内町月俣つきまた

恵良えら川の支流院内川上流部に沿って続く谷間の山間部に位置し、東は大門だいもん村、西は定別当じようべつとう村。応永三二年(一四二五)九月一三日の大友孝親の反乱(三角畠の乱)に関し、弟花市丸(親綱)は月俣氏にかくまわれたという(豊筑乱記)。天正七年(一五七九)正月二三日の月俣員貞等連署請文(恵良文書)に「為御祝儀、下小城田名之儀、進入候」とみえる下小城田しもこじようだ名は現在の字古城田こじようだのことと思われる。月俣氏は当村に月股城を築いていたが、天正七年大友氏に滅ぼされた。子の太郎員貞は由布院ゆふいん(現湯布院町)に隠れていたが、恵良栄閑の執成しで帰ることができた。その礼として下小城田名を恵良氏に進上したものである。検地帳をはじめ年貢割付帳・村明細帳など近世期全般にわたり院内地方の村の姿を明らかにする小野家文書が多数伝わる(以下特記しない場合はすべて小野家文書による)細川氏の中津藩入部に伴って実施された慶長六年(一六〇一)の検地帳によれば、一六町二反余(高二〇五石余)の田を三六名の農民が所有し、畑は一二町七反余(高七二石余)あり、所有者は五九名。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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