有機分析(読み)ゆうきぶんせき(英語表記)organic analysis

日本大百科全書(ニッポニカ) 「有機分析」の意味・わかりやすい解説

有機分析
ゆうきぶんせき
organic analysis

有機物質の分析法の総称。有機物質の分析は系統的に分析することができないので、おおよそ次のような順序で行う。(1)目的とするものが混合物である場合にはその精製であり、種々の溶媒に対する溶解度試験や、蒸留、その他の方法で目的成分を単離する。(2)融点沸点スペクトル、その他の物理的性質測定して、その純度を確かめる。(3)構成元素の定性および定量分析、ならびに分子量の測定を行い、分子式を求める。(4)原子団、基などの定性および定量分析で示性式を求める。

 構成元素や基の分析については、各元素や基について化学的方法による元素分析法や基の分析法が多数知られている。また、近年優れた機器の開発によって、元素分析や分子量の測定なしで分子式を求めることが可能になっている。とくに試料が単一物質である場合には、その物理的性質を利用する機器分析法がきわめて有力な手段である。

[高田健夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android