知恵蔵 「有機JAS認証制度」の解説
有機JAS認証制度
制度の背景には、表示の規制がないまま「有機」とうたわれた商品が数多く流通し、消費者の商品選択に支障が生じるようになっていたことがある。1992年にはガイドラインが制定されたが、罰則規定もなく限界があったことから、99年のJAS法改正により認証制度が導入されることになった。まず、2000年に有機農産物と有機加工食品のJAS規格が定められ、05年には、新たに有機畜産物と有機飼料のJAS規格が制定された。これらのJAS規格は、グローバルスタンダードであるコーデックス委員会のガイドラインに準拠している。
有機農産物のJAS規格は、使用する圃場(ほじょう)や種苗のほか、肥培管理や有害動植物の防除、収穫後の選別・貯蔵・包装など様々な工程の管理に関して基準を定めている。遺伝子組み換えの種苗を使わないこと、堆肥(たいひ)などによる土づくりを行い、播種・植え付け前2年(多年生作物の場合は3年)以上と栽培期間中に原則として化学肥料や農薬を使用しないことなどが、主な基準となっている。
(原田英美 ライター / 2013年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報