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農業生産法人 のうぎょうせいさんほうじん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

農業生産法人
のうぎょうせいさんほうじん

1962年に農地法農業協同組合法の一部が改正され認可された法人で,共同化によって生産性の高い農業経営を目指し,実現しようとするもの。形態として農事組合法人持分会社などがある。経営規模の拡大によるコストの低減,投資の合理化,過剰投資の回避などに優れ,また税制や制度融資上の利点がある。

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知恵蔵の解説

農業生産法人

農地を利用して生産を行う、法人資格のある農業事業体。1952年に制定された農地法の規制を受ける。形態要件事業要件、構成員要件、役員要件を満たさなければならない。農業の担い手として期待を集めている。法人数は、90年代後半から有限会社を中心に伸びており、「2005年農業センサス」によると5612の事業体がある。形態要件としては農業協同組合法に規制される2号農事組合法人と、会社法に規制される持ち分会社(合名合資、合同)及び株式会社(株式の譲渡制限のある株式会社と特定有限会社)であることが必要。事業要件とは主たる事業として農業を営むことであり、構成員要件としては、農地提供者、150日以上の法人農業従事者、農業関連団体のほか、法人事業に必要な物資または役務を継続的に提供する生協などが構成員として認められている。役員要件は、農外従事者の支配力を排除するために設けられている。

(池上甲一 近畿大学農学部教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

農業生産法人

農業経営のために農地を取得できる法人。農事組合法人や有限会社、株式会社などの形態がある。法人化で、農地の取得や加工施設の建設で多くの融資を受けやすくなる▽信用力や経営管理能力が向上▽後継者難が解消――などが期待されている。

(2015-10-21 朝日新聞 朝刊 宮城全県・1地方)

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百科事典マイペディアの解説

農業生産法人【のうぎょうせいさんほうじん】

1962年の改正農地法等によって創設が認められた農業を行う会社で,農地の取得が認められている。いわゆる〈一戸一法人〉として自営農業を法人化している農家とは別。法人の形態は農事組合法人,合名会社,合資会社,有限会社の四つであったが,2000年の改正により株式会社も認められ,税制や融資などの面で優遇措置が講じられる。
→関連項目認定農業者農業法人

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト百科事典マイペディアについて 情報

農業関連用語の解説

農業生産法人

以下の要件を満たす法人をいう。
(1) 法人の形態は、農事組合法人、合名会社、合資会社、有限会社のいずれかであること。
(2) 事業については、農業及びこれに関連する事業並びにこれらに附帯する事業に限られること。
(3) 構成員(出資者)については、農地の権利を提供した個人や法人の事業に常時従事する者等農業関係者が中心に組織されていること。
(4) 業務執行役員については、その過半数が法人の事業に常時従事し、かつ、農作業に主として従事する構成員であること。

この農業生産法人の要件をすべて満たす法人で、農地を適正かつ効率的に利用して耕作又は養畜の事業を行うと認められるものに対し、農地法(昭和27年法律第229号)に基づき農地等の権利取得の許可がなされることになる。(農地等の権利を取得できる法人は、原則として、農業生産法人の要件を満たすものに限られている。)
農業生産法人制度は、農業経営の協業化を助長することを目的として、昭和37年の農地法改正により創設され、農業構造、農業経営の変化等に対応して、その要件の見直しが行われてきたところである。

出典 農林水産省農業関連用語について 情報

農林水産関係用語集の解説

農業生産法人

農地等の権利を取得できる法人のこと。
農地法では、農地等の権利を取得できる法人は、原則として、農業生産法人の要件を満たすものに限られている。

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大辞林 第三版の解説

のうぎょうせいさんほうじん【農業生産法人】

農業法人のうち、農業およびその付帯事業を専業とするなど、農地法に定める一定要件を満たす法人。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

農業生産法人
のうぎょうせいさんほうじん

農地の所有権、使用収益権を取得できる法人。法人の形態としては農事組合法人、合名会社、合資会社、有限会社の四つであったが、2000年(平成12)の農地法改正により、株式会社も認められた。農業生産法人として満たすべき要件は、以下のとおり。(1)主たる事業として農業を営むこと、(2)構成員(出資者)は農地の権利を提供した個人や法人の事業に常時従事する農業関係者が中心となって組織されていること、(3)業務執行役員の過半数が法人の事業に常時従事し、かつ、農作業に主として従事する構成員であること。
 日本の農業は戦後の農地解放以来、すべての農家が自立して経営を行う家族農業の仕組みが堅持されてきた。しかし、農業の担い手の減少や自由化進展に伴う国際競争の激化などにより、効率化をはかるため生産面積を拡大できるよう制度改革することが必須となった。そこで、株式会社による農業が推進されるようになった。
 法人化で得られる利点としては、金融機関の融資が受けやすくなること、税制上の優遇措置が得られること、農地の取得支援を受けられることなどがあげられる。ただし、法人としての納税義務、雇用者としての責任などが発生するほか、会社として個人と法人の収入・支出を分別し帳簿管理を正確に行う必要がある。
 2009年に農地売買について規制緩和が行われた際には、農業生産法人に限り株式会社などの法人であっても農地を売買できるようになった。[編集部]

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世界大百科事典内の農業生産法人の言及

【農業法人】より

…また家族経営の法人化も行われている。これらのうち,農地法が定める一定の要件をみたしている法人は,農地を所有したり貸借する資格をもち,農業生産法人とよばれる。1995年現在,農事組合法人数6720,そのうち農業生産法人の資格をもつもの1335,また農業生産法人の資格をもつ会社は,有限会社2797,合名会社4,合資会社14である。…

※「農業生産法人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

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