朝妻・浅妻(読み)あさづま

精選版 日本国語大辞典 「朝妻・浅妻」の意味・読み・例文・類語

あさづま【朝妻・浅妻】

[1]
[一] 琵琶湖の東岸、滋賀県米原市朝妻筑摩付近の古名。中世には港があり、大津と往来する船便でにぎわい、その船は遊女を乗せて旅人をなぐさめ、朝妻船と呼ばれていた。
[二] 現在の奈良県御所(ごせ)市の地名。朝嬬。阿佐豆磨。
[三] 長唄常磐津富本などの「朝妻船」の略。
[2] 〘名〙
※雑俳・柳多留‐一一一(1830)「朝妻の麁相一蝶船に乗り」
② (琵琶湖畔朝妻の港の遊女が船に乗って客をとっていたところから) 船の中で客をとる遊女。
※雑俳・歌羅衣(1834‐44)七「浅妻の身で青柳の岸放れ」

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