朝日氏(読み)あさひうじ

改訂新版 世界大百科事典 「朝日氏」の意味・わかりやすい解説

朝日氏 (あさひうじ)

中世武家。(1)尾張国知多郡大野荘を本領とする清和源氏大野氏の一族。八条院判官代頼清が〈朝日判官代〉と称したのにはじまる。頼清とその子頼重は,承久の乱で京方として木曾川の渡しを防衛していたが討たれ,尾張国の本領数ヵ所を没収された。しかし頼重の弟頼時の系統御家人としての地位を維持したとみえ,1303年(嘉元1)には頼時の孫親頼が同国安食(あじき)荘の相論に関して六波羅探題より現地調査を命ぜられている。またその子頼氏は,翌年に同国西門真(にしかどま)荘地頭代の召喚を命ぜられ,14年(正和3)には同国草部(くさかべ)郷地頭職に関して六波羅探題の使節としてその処理に当たっている。1411年(応永18)に,同国鈴置郷の相論につき幕府使節として請文を提出している修理亮範行も一族であろう。(2)近江国浅井郡朝日郷を本領とする一族。斎藤氏とも称している。14世紀後半から16世紀後半にかけて奉公衆として散見する。
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