朧銀(読み)オボロギン

デジタル大辞泉 「朧銀」の意味・読み・例文・類語

おぼろ‐ぎん【×朧銀】

銀細工器物表面梨子地なしじにして光沢を消したもの。
銅3、銀1の割合合金装飾品などに使う。

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精選版 日本国語大辞典 「朧銀」の意味・読み・例文・類語

おぼろ‐ぎん【朧銀】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 銅三、銀一の割合の合金。灰白色を呈する。現在は割合にかかわらず、金、銀、赤銅の合金の場合もいい、「ろうぎん」または「四分一(しぶいち)」ということが多い。
  3. 銀の器物の表面を梨子地(なしじ)にして、光沢を消したもの。

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世界大百科事典(旧版)内の朧銀の言及

【金属工芸】より

…黄色を呈しているところから黄銅とも呼ばれて珍重され,やがて日本でも作られるようになった。このほか,日本独特の色金(いろがね)として,黒紫色を呈する赤銅(しやくどう)(銅にわずかに金を加えたもの),紫色を呈する紫金銅(しきんどう)(赤銅より多めに金を加えたもの),黒味銅(くろみどう)(銅に白目(しろめ)を加えたもの),銀灰色を呈する朧銀(ろうぎん)(銅3に対し銀1で四分一(しぶいち)ともいい,少量の金を加える場合もある),青金(あおきん)(金に銀を加えたもの)などがある。銅および銅合金は緑青(ろくしよう)と呼ばれる青緑銹が生ずるので,防銹と美観をかねて表面に金鍍金(ときん)を施し,金銅(こんどう)製品とすることが多い。…

【装剣金具】より

…特に格式を重視した後藤家の作が形式化する一方,町彫工は自由な立場で製作したため,題材や技法にも斬新さが認められ,技術的にもその発達はめざましいものがあった。材質は金,銀,銅,鉄のほか,四分一(しぶいち)(朧銀(ろうぎん)。銅3,銀1の合金),素銅(すあか)といった多種の金属を併用し,従前の高肉彫や象嵌のほか,肉合彫(ししあいぼり),片切彫(かたきりぼり)といった新技法が工夫されたのもその一例である。…

※「朧銀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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