赤銅(読み)シャクドウ

百科事典マイペディアの解説

赤銅【しゃくどう】

銅に金6〜7%と微量の白目(しろめ)と呼ばれるアンチモン合金を加えた,日本古来の美術用合金の一つ。緑青(ろくしょう)・ミョウバン・胆バン(硫酸)の混合水溶液で処理すると,紫色を帯びた美しい黒色に着色するので,紫金(しきん)・烏金(うきん)とも呼ぶ。美術工芸品・装飾品などに古くから使用される。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

しゃくどう【赤銅】

〈烏金〉と書いて〈しゃくどう〉また〈うきん〉と読み,また紫金(しきん)ともいう。銅に6~7%の純金とわずかな白目(しろめ)(アンチモンを主としヒ素を含んだ金属)を加えた合金。金の多少によって上中下があり,上は銅10匁に6~7分,中は3~4分,下は1分で,下は〈めざしかね〉という。緑青(ろくしよう),明礬(みようばん),胆礬(硫酸銅)で処理すると,紫色を帯び,烏(からす)の羽のようなつややかな黒色を呈するので烏金と書く。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

大辞林 第三版の解説

しゃくどう【赤銅】

少量の金を含む銅合金。緑青・硫酸銅・ミョウバンなどを混合した液で煮ると黒みを帯びた紫色になる。古くから仏像・装飾品などの金属工芸に用いられた。烏金うきん
「赤銅色」の略。 「 -の肌」

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

赤銅
しゃくどう

金3~4%、銀少量を含む銅合金で、わが国で古くから美術工芸品の製作用に用いられた。その組成の一例は、金3.5%、銀1.5%、銅95%など。この合金を化学処理すると、金は美しい紫色の被膜をつくる。処理液は酢酸溶液に緑青(ろくしょう)(塩基性炭酸銅)、胆礬(たんぱん)(硫酸銅)などを溶かしたもので、赤銅製品を液中で煮沸すると、含有する金の量により、青色から黒色に至る美しい外観を呈する。[阿座上竹四]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典の解説

しゃく‐どう【赤銅】

〘名〙
① 金を三~六パーセント含む銅合金。これに銀を一パーセント程度加えたものにもいう。日本では古くから工芸品、銅像などに用いられた。硫酸銅、酢酸銅溶液などで処理をすると青黒い色彩を出す。紫金。烏金(うきん)
※法隆寺伽藍縁起并流記資財帳‐天平一九年(747)二月一一日「塔分赤銅壱具 長一尺五寸」
※太平記(14C後)二六「此の辺の塔の九輪は太略赤銅(シャクドウ)にてあると覚る」 〔山海経‐西山経〕
※良人の自白(1904‐06)〈木下尚江〉後「脂を落した赤銅の肉は、新らしき水気を含んで」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

世界大百科事典内の赤銅の言及

【金属工芸】より

…黄色を呈しているところから黄銅とも呼ばれて珍重され,やがて日本でも作られるようになった。このほか,日本独特の色金(いろがね)として,黒紫色を呈する赤銅(しやくどう)(銅にわずかに金を加えたもの),紫色を呈する紫金銅(しきんどう)(赤銅より多めに金を加えたもの),黒味銅(くろみどう)(銅に白目(しろめ)を加えたもの),銀灰色を呈する朧銀(ろうぎん)(銅3に対し銀1で四分一(しぶいち)ともいい,少量の金を加える場合もある),青金(あおきん)(金に銀を加えたもの)などがある。銅および銅合金は緑青(ろくしよう)と呼ばれる青緑銹が生ずるので,防銹と美観をかねて表面に金鍍金(ときん)を施し,金銅(こんどう)製品とすることが多い。…

※「赤銅」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

閻魔詣で

陰暦1月16日(初閻魔)と7月16日(大斎日)に閻魔堂に参詣(さんけい)すること。この日は地獄の釜(かま)のふたが開き、罪人が責め苦を免れると伝えられる。閻魔参り。《季 夏》...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

赤銅の関連情報