木崎野(読み)きさきの

日本歴史地名大系 「木崎野」の解説

木崎野
きさきの

盛岡藩の藩営九牧の一。北は小川原おがわら湖東岸から南は奥入瀬おいらせ川に及び、東は太平洋岸から三本木さんぼんぎ原にわたる藩営牧中最大の規模の牧である。現在の三沢市、上北郡百石ももいし町・下田しもだ町・六戸ろくのへ辺りを中心にし、十和田市や上北町にもかかる。

正保四年(一六四七)の南部領内総絵図に記載はないが、「郷村古実見聞記」によれば元禄一二年(一六九九)の絵図に書上げられ、「北郡五戸御代官所 木崎野長九里半、横二里半」とある。寛政年間(一七八九―一八〇一)の「邦内郷村志」では百石村(現百石町)の項に木崎野牧場とみえている。当牧の前身はすでに中世から形成されており、永正(一五〇四―二一)の頃の糠部九箇部馬焼印図(古今要覧稿)に「六ノ部(中略)きさき 八千疋のまきなり、印有文字」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報