未開美術(読み)みかいびじゅつ

改訂新版 世界大百科事典 「未開美術」の意味・わかりやすい解説

未開美術 (みかいびじゅつ)

いわゆる未開民族美術に対して用いられる呼称で,〈原始美術〉とも訳されるプリミティブ・アートprimitive artの訳語。未開美術といっても単一の様式があるわけではなく,それぞれ民族社会によって固有の発展を見せ,固有の性質を有している。そこで,部族社会の美術という意味から,部族美術という呼称が用いられたり,未開美術の前に〈いわゆるso-called〉をつけて用いられたりする。
先史美術 →部族美術
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

関連語 重信 木村

世界大百科事典(旧版)内の未開美術の言及

【部族美術】より

…部族美術はこれまで〈未開美術(プリミティブ・アート)〉とも呼ばれてきたが,〈未開〉という語に事実の裏づけがなく,定義があいまいであるため,最近ではこの名称が用いられる。しかし部族美術は一つの現象をさすわけではなく,互いに異なる多種多様な様式と性格を有している。…

※「未開美術」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android