本柏(読み)モトガシワ

デジタル大辞泉 「本柏」の意味・読み・例文・類語

もと‐がしわ〔‐がしは〕【本×柏】

《「もとかしわ」とも》
冬も落葉しないで残った柏の葉。大嘗会だいじょうえのとき、その葉を酒に浸し、神饌しんせんにそそいだ。
「いその神ふるから小野の―本の心は忘られなくに」〈古今・雑上〉
古くから関係のあるもの。
太政大臣おほきおとど御方には中のこのかみにて、―にもおはすれど」〈狭衣・一〉

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精選版 日本国語大辞典 「本柏」の意味・読み・例文・類語

もと‐がしわ‥がしは【本柏】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「もとかしわ」とも )
  2. 柏の古葉で、冬も落ちないで木についているもの。大嘗会(だいじょうえ)の時、その葉に酒をひたし、神饌にそそぐ。
    1. [初出の実例]「礒神ふるからをののもとかしは本の心はわすられなくに〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)雑上・八八六)
  3. 古いもとのもの。以前から関わりを持っているもの。
    1. [初出の実例]「太政大臣の御方には中の兄(このかみ)にて、もとかしはにもおはすれど」(出典狭衣物語(1069‐77頃か)一)

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