本根布村(読み)もとねぶむら

日本歴史地名大系 「本根布村」の解説

本根布村
もとねぶむら

[現在地名]内灘町向粟崎むかいあわがさきつるおか一―五丁目など

河北潟大野おおの川となって流れ出る右岸に位置し、西は日本海、南は向粟崎村、北は大根布おおねぷ村。天正一一年(一五八三)四月日の羽柴秀吉禁制(小浜神社文書)に「賀州石川郡」として「もとねふ」とみえる。同四年八月二一日の加賀北両郡旗本組中連署書状(北徴遺文)に「伊藤宗次郎政誠」が署判しているが、伊藤氏は初代宗右衛門より当地に住し、天正期の宗次郎まで一向一揆の武将を勤めたとされ(加賀志徴)、旗本級の郷士とみられる。

内灘砂丘を背にし、無高所。慶長六年(一六〇一)一二月、前田利長が石川・河北両郡一六ヵ村の浜方地子を免除したなかに「本ねぶ村」がみえる(加賀藩史料)。寛文一〇年(一六七〇)の村御印(内灘町歴史民俗資料館蔵)では小物成のみ記載され、地子銀一二五匁、外海船櫂役一貫三〇二匁五分(ほか一貫三五匁五分退転)・湖網役一〇六匁(退転)・猟船櫂役一二匁五分(ほか二七匁五分退転)・外海引網役九〇匁(うち四五匁出来)・六歩口銭一匁二分(出来)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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