束松峠
たばねまつとうげ
旧越後街道の本道で、天屋・本名集落から北西へ二キロで標高四二〇メートルの頂部に達し、南西一・五キロほど下って西会津町束松の軽沢に至る。寛永年間(一六二四―四四)若松城普請の木材運搬のため、安座村(現西会津町)の肝煎二瓶七左衛門が古い道を改修し、以後越後街道の本道となる。それ以前は気多宮村から西羽賀村・塩坪村・利田村(現高郷村)、尾登村(現西会津町)を経て野沢村(現同上)へ出る道が本道であった。会津盆地を一望する景勝地で、寛政四年(一七九二)以来片門村・本名村より茶店二軒が出され(新編会津風土記)、峠の茶屋として親しまれたが今はなくなった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
Sponserd by 