① マツ科の常緑高木。北海道南部から九州までの山野に生え、庭木、盆栽にもする。高さ四〇メートル、直径一・五メートルに達する。樹皮は赤褐色で亀甲(きっこう)形の裂け目がある。葉は横断面が半円形の釘形で、二本ずつ基部が褐色のさやにつつまれて小枝につく。四月頃、新枝の先端に一つないし数個の紫色の雌花をつけ、また新枝の基部に数十個の淡黄色の雄花をつける。球果は翌年秋に熟し、木質で、長さ五センチメートル、直径三センチメートルほどの卵形、この中に翼をもった種子をつける。材は黄色を帯びた淡褐色で堅く、パルプ、建築、船、橋、枕木、器具などの材料とし、樹皮と根からはテレビン油(松根油)をとる。めまつ。〔重訂本草綱目啓蒙(1847)〕
マツ科マツ属の常緑針葉樹。複維管束亜属に分類される。雌松ともいう。英語表記では「Japanese Red Pine」。建材としては軽く、強いので、梁などによく使われた。年輪部分の強度が高く、多重のパイプ構造になっている。松脂が蓄積されて飴色になったものは高級な建材として扱われている。水中では腐りにくく、橋脚の基礎固めなどの杭として現在も利用されている。