東の花勝見(読み)あずまのはながつみ

改訂新版 世界大百科事典 「東の花勝見」の意味・わかりやすい解説

東の花勝見 (あずまのはながつみ)

歌舞伎役者芸談集。永下堂波静撰著。1815年(文化12)刊。1巻。18世紀後半から19世紀前半にかけて活躍した13人の名優(初世沢村宗十郎,中村富十郎尾上菊五郎,中村歌右衛門,中村仲蔵,坂東三津五郎,2世嵐三五郎,市川団蔵,3世松本幸四郎,瀬川菊之丞,4世市川団十郎岩井半四郎,5世市川団十郎)の芸談を収めたもの。立者(たてもの)に可愛がられ,着実に段階を踏んで修業せよという修業の心得,役の人物になりきり,実を大切にして花をあしらえとする役作りの教訓,その他,狂言選定,踊りの振付け,ひいき客への要望,相手役との息の合せ方など,貴重な芸談に満ちている。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

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