立者(読み)タテモノ

デジタル大辞泉 「立者」の意味・読み・例文・類語

たて‐もの【立者】

一座の中ですぐれた役者、また人気役者。立役者
仲間の中でおもだった者。あたまかぶ。
「不良少年黒表ブラツクリスト中の―だけに」〈里見弴多情仏心

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「立者」の意味・わかりやすい解説

立者 (たてもの)

歌舞伎役者階級。幹部級の役者,すなわち名題役者をいう。立者のうち人品,技量ともすぐれた立役の上位者を〈座頭(ざがしら)〉といい,一座を統率する。この座頭と立女方,書出し,中軸(なかじく),客座を特に〈大立者(おおだてもの)〉と呼ぶ。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の立者の言及

【竪義】より

…また論題提出僧すなわち探題より出された問題について,自己の考えを教理をふまえて主張する僧を指す場合も多い。この場合は竪義者というが,単に略して竪者(りつしや),立者ともいう。南都の三会,東大寺法華会・方広会や,興福寺慈恩会,園城(おんじよう)寺十月会,延暦寺六月会などは竪義を設け,学業の成果を判定した。…

【歌舞伎】より

… 6,7月は原則として芝居を休んだが,のちには〈夏芝居〉といって,ふだんは大役をもらえない低い地位の役者を中心にし,入場料の安い勉強芝居を興行することがあった。文化・文政期になると,大立者も参加して,夏向きの狂言を演ずる特別興行を行うこともあった。9月は〈秋興行〉または〈菊月興行〉と呼び,年度における最後の興行であることから〈御名残興行〉ともいった。…

【名題】より

…大名題看板には,その上部に一座の主要な役者たちの舞台姿が描かれ,その絵組みにのる役者のことを名題乗り役者といった。古く役者には立者(たてもの)と詰(つめ)(小詰)の別があり,やがてその間に中(ちゆう)役者(中通り,中女方)が発生,立者,中役者,下立役(したたちやく)(お下,稲荷町)の3階級が成立した。幕末には立者を名題と呼ぶようになり,以後,その名称が定着。…

※「立者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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