東三河地方(読み)ひがしみかわちほう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「東三河地方」の意味・わかりやすい解説

東三河地方
ひがしみかわちほう

愛知県東部、豊(とよ)川が南北に貫流している地域をいい、三河山間部、豊橋平野、渥美(あつみ)半島を含む。西三河地方に対していう。古代には穂(ほ)の国とよばれていたが、大化改新後は三河国と合体し、東三河の国府(こう)(現、豊川市)に国府が置かれ、政治の中心地になった。律令(りつりょう)制による三河国7郡のうち、宝飯(ほい)、八名(やな)、渥美3郡が東三河で、903年(延喜3)に宝飯郡北部を割いて設楽(したら)郡ができ4郡となった。中世は伊勢(いせ)神宮の御厨(みくりや)、御園(みその)が各所に置かれ、戦国時代は今川、徳川、武田氏の勢力抗争地であったため長篠(ながしの)など史跡が多い。江戸時代は譜代(ふだい)の吉田、田原の2藩と旗本領天領に分割され、明治初年額田(ぬかた)県に合体した。旧設楽郡は奥三河ともいわれ、北半部は天竜川の支流大千瀬(おおちせ)川の水系に属している。なお、1993年(平成5)に豊橋市を中心とした東三河地域が「東三河地方拠点都市地域」に指定された。

[伊藤郷平]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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