御園(読み)ミソノ

デジタル大辞泉 「御園」の意味・読み・例文・類語

み‐その【御園】

園を尊んでいう語。
「青々たる春の柳、―にゆることなかれ」〈読・雨月菊花の約〉

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精選版 日本国語大辞典 「御園」の意味・読み・例文・類語

み‐その【御園】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「み」は接頭語 )
  2. 園を尊んでいう語。
    1. [初出の実例]「春の柳、家園(ミソノ)に種(うゆ)ることなかれ」(出典:読本・雨月物語(1776)菊花の約)
  3. 平安時代以降、神社荘園の称の一つ。本来、供御(くご)果実蔬菜類調進のための園地であったが、のち通常の所領と異ならなくなった。特に伊勢神宮に多く、その他、石清水八幡宮熱田神宮にも見られる。
    1. [初出の実例]「伊勢国神宮御領御園御厨地頭等」(出典:吾妻鏡‐文治二年(1186)三月一〇日)

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日本歴史地名大系 「御園」の解説

御園
みその

猪名いな川沿いに展開したたちばな御園に由来するとみられる地名。同御園内の一部が「橘」を省略して御園とのみよばれるようになったのであろう。「蔭涼軒日録」長禄三年(一四五九)八月二四日条に「御園林内御稲田」とみえ、瑞棠が代々の御判に任せて安堵を申請している。明応二年(一四九三)一一月二一日の一休宗純十三年忌出銭帳(真珠庵文書)によれば御園の比丘尼衆祐光・宗金・慈宝がそれぞれ一〇〇文ずつ納めている。天文二年(一五三三)六月には細川晴元方の三好伊賀守勢と摂津下郡の一向一揆とが当地で交戦した(重編応仁記)。同九年九月には畠山上野介が知行していた当地を伊丹次郎に押領されたと伝えており(「大館常興日記」同年九月一〇日条)、摂津の有力国人伊丹氏の勢力下となっていた。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「御園」の意味・わかりやすい解説

御園
みその

古代中世に存した伊勢(いせ)の神宮神領の一種のこと。本来は神に供える野菜類を栽培する土地のことであり、現在も三重県伊勢市二見(ふたみ)町溝口に1万9969平方メートルの神宮御園に、神に供える季節に応じた野菜、果物を多種にわたり栽培している。それとは別に古く律令(りつりょう)体制の崩壊とともに、神宮経済を支えた神郡・神戸(じんこ)(かんべ)の制にも変化を生じ、神宮祠官(しかん)の手によりいわば自墾地系の神領が開発され、それを御厨(みくりや)、また御園と称した。この場合、御厨、御園の実質的な区分はほとんどなかった。また古代末期よりは豪族領主層、さらに武士団などよりの寄進地系御厨、御園が増加して全国各地に及び、鎌倉幕府はそれをよく安堵(あんど)した。しかし、中世末にはそれも奪略されて崩壊、近世は朱印領によった。

[鎌田純一]

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普及版 字通 「御園」の読み・字形・画数・意味

【御園】ぎよえん

御苑。

字通「御」の項目を見る

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