家々の族姓,系統を示す呼称。また族姓,系統を証明する系譜。代々家系正しく継承してきた家のこと。譜第とも書く。《令集解》職員・治部省条に〈古記に云う,譜第とは,天下人民の本姓の札名也〉とあり,《令義解》同条には〈譜第の争訟を鞫問するを掌る〉とある。また《続日本紀》天平勝宝1年(749)2月条には郡司任用に立郡以来譜第重大の家を優先すべきことを令した記事をみる。転じて代々特定の地位,職業,技芸を一つの家系で世襲する意となる。《平家物語》に〈譜代弓箭の兵略を継ぐ〉のごとき用例をみる。また平安時代末ごろから同一の主家に世襲的に奉公する者の意となり,譜代の者とか,譜代の臣とかのように用いられた。
→御家人 →譜代大名
執筆者:五味 克夫
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譜第とも。本来,家の族姓・系統を示し,代々家系を継ぐこと。そこから,一つの家系で代々なんらかの地位・職業・芸能などを世襲することを意味するようになり,平安時代から中世には,代々ある家に仕えること,あるいはその人,すなわち「重代奉公人」をも意味して,武士に限らない。江戸時代には,関ケ原の戦以前から徳川氏に従った者や,大坂城落城以前に徳川氏に従った者の称として用いられて外様(とざま)と区別され,また,御目見(おめみえ)以下の御家人の格式の者で,徳川家康から4代の間に留守居・与力・同心などの職に就いた者の子孫の呼称ともなった。
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…鎌倉幕府成立後,将軍の家人も敬称として鎌倉殿の御家人,関東御家人などとよばれ,後には身分の称呼として固定化した。1180年(治承4)源頼朝の挙兵の際,いちはやく味方に馳せ参じたのは縁戚の北条氏一族のほか,伊豆・相模等を中心とした源氏譜代の家人である武士たちであった。その後85年(文治1)平家滅亡のころまでには東国諸国の大半の武士が頼朝に服従し,西国の武士も多数頼朝の派遣した武将の下に馳参随従した。…
…また口入屋の手を経て雇い入れるものもあった。両替,呉服,太物(ふともの),肥物,薬種,綿,油,塩,米などの代表的大商人の間ではまず別家(べつけ)中の子弟をとる方針で,これを譜代,子飼(こがい)といった。雇入れの形式としては親もと,親類または宿もとの連判保証状である請状(うけじよう)を出させ,入念のうえにも大事をとったが,別家の子弟は請状を要しなかった。…
…【大石 直正】 近世から近代にかけての名子は自立性を強めて,地主から家屋敷を借りて労働地代を提供するものに変わってきている。被官,譜代,脇の者,門屋(かどや)等の名称で呼ばれるものと同質であって,もとは有力な土豪的名主(みようしゆ)の家のなかに抱えこまれていた下人,奴婢層が,家族をもって名主の名田の一部を経営するようになったものである。自己の経営地をもつといっても自立した経営ではなく,基本的には名子主の経営の一部分を占めるにすぎず,それだけ人身的隷属性が強かった。…
…これらの藩の多くは,領地に城を持たない大名であった。また藩は,将軍家との関係で,大きく親藩,譜代藩(譜代),外様藩(外様)に分けられ,親藩はさらに三家(尾張徳川家,紀伊徳川家,水戸徳川家),一門,連枝に分けられた。譜代藩の藩主は,徳川氏が覇権を握る以前より徳川氏の家臣であったもののうち1万石以上の領地を持つもので,多くは徳川氏によって取り立てられたものであり,老中をはじめとする幕府の要職には彼らが就いた。…
…江戸時代における大名類別の一つ。譜代とは系図正しく,その家を継承してきた者の意。転じて世襲的に主人に奉公する者を指すようになった。…
…その平生の身分は百姓,町人であり,武家奉公中のみ家業として帯刀が許され,奉公さきの家来の取扱いをうけた。 武家奉公は中世の末期まで譜代奉公をもって本来の姿とした。しかし,近世に入るとそれは漸次人宿(ひとやど)(口入屋(くちいれや),桂庵(けいあん)),日用座(ひようざ)を通じて雇用される百姓,町人による給金めあての一季(いつき),半季の出替(でがわり)奉公や月雇(つきやとい),日雇へと移りかわっていった。…
…31年(享禄4)より清康は新田源氏一族の世良田の姓を称したが,これは三河の諸領主層とは区別され,足利一門の今川,吉良,斯波ら三河や周辺の守護,奉公衆に対抗しうる名家であることを強調しようとしたのであろう。清康時代までに徐々にではあるが,庶家の家臣化や後の三譜代(安城,山中,岡崎)の原型である譜代家臣団の形成が進み,直轄領の農民支配機構の整備も進められた。しかし三河における松平氏の覇権は,35年(天文4)12月の清康の突然の死(〈守山崩れ〉)で中断した。…
※「譜代」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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