大学事典 「東京家政大学短期大学部」の解説
東京家政大学短期大学部[私立]
とうきょうかせいだいがくたんきだいがくぶ
Tokyo Kasei University Junior College
学校法人渡辺学園の前身,財団法人渡辺学園が1950年(昭和25)に設置した女子の私立短期大学。裁縫の教育者渡邉辰五郎が1881年(明治14)私塾和洋裁縫伝習所を本郷湯島に設立したことに始まる。女性が技術を身につけ,その技術で社会的自立を図り,時代を見通す創造性に富む女性の育成を目的とした。1892年東京裁縫女学校に改称。全国から教員養成への志願者が急増し,師範科開設,高等師範科を経て,1922年(大正11)東京裁縫女学校専門部を新設,東京女子専門学校と改称した。専門学校令による最初の,裁縫を高等の学術技芸として教授する学校となる。学制改革によって1949年(昭和24)東京女子専門学校は大学(東京家政大学)に昇格,その翌年東京家政大学短期大学部が設置された。初代学長は発達心理学者青木誠四郎。青木の生活信条「愛情・勤勉・聡明」は渡邉辰五郎の「女性の自主自律」とともに女性の専門性を高める学園の教育の指針となる。短期大学部は,2016年(平成28)現在,保育科・栄養科がおかれ,保育士・幼稚園教諭二種,栄養士などの資格取得に高い実績がある。同年5月現在の学生数424人。大学は4学部11学科で,ほかに附属幼稚園,中学校,高等学校を併設する。
著者: 齋藤麻美世
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報