東水代村(読み)ひがしみずしろむら

日本歴史地名大系 「東水代村」の解説

東水代村
ひがしみずしろむら

[現在地名]大平町榎本えのもと

永野ながの川を挟んで西水代村の北東に位置し、北は真弓まゆみ村と接する。村の北部を日光街道小山おやま宿と例幣使街道茂呂もろ宿(現岩舟町)・同犬伏いぬぶし宿(現佐野市)を結ぶ脇往還が通り、また栃木宿と部屋へや河岸(現藤岡町)を結ぶ脇往還が南北に通る。この交わる地に榎本宿があり、町並を形成したが、宿の機能は人馬継立を主とし、富田とみだ宿のような公的な宿場ではなかった。宿の北に中世末から近世初頭にわたる榎本城があり、その城下町の形成される過程で町割された町人町が同城廃城後も残り、交通の要衝として宿場的機能を維持したものと考えられる。中世の榎本は中泉なかいずみ(西御庄)の内で、榎本城とその周辺は榎本と称され、皆川氏・佐野氏・小田原北条氏・結城氏らの勢力争いの場となった。近世に入ってからは榎本宿とその周辺は東水代村として支配されるが、榎本藩の成立も含めて榎本の名は残される。

文禄四年(一五九五)の榎本領村高書上(大出善作文書)に東水代とあり、高八九四石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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