東洋モスリン争議(読み)とうようもすりんそうぎ

山川 日本史小辞典 改訂新版 「東洋モスリン争議」の解説

東洋モスリン争議
とうようモスリンそうぎ

1930年(昭和5)昭和恐慌下での人員整理に反対して東洋モスリン亀戸工場でおこった争議。2月15日,会社側が190人の解雇を発表,従業員を組織していた組合同盟との紛争がおこる。9月24日,再び大量人員整理が発表され,26日,全労日本紡織労組の指導で約2500人がストライキ付近の工場の争議とも交流した激しい争議になり,10月24日には警官隊と市街戦を決行したが,11月21日,争議団敗北終息

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の東洋モスリン争議の言及

【鐘紡争議】より

…1930年4~6月,鐘淵紡績(現,鐘紡)の八つの工場で発生した労働争議。昭和恐慌期の代表的争議として知られる。恐慌下のこの時期,全産業にわたって倒産や賃金減額・人員整理があいつぎ,追いつめられた労働者は各工場で必死の反撃を試みた。争議件数も同参加者数も激増し,争議件数は31年に戦前のピークとなった。もっとも昭和恐慌期の争議は,中小零細経営で頻発したところに重要な特徴があり,大経営では紡績と石炭産業・都市公営交通部門のみに集中して争議が発生した。…

【帯刀貞代】より

…夫の影響で婦人運動に入り,全国婦人同盟,無産婦人同盟で活躍。1929年亀戸に東洋モスリン亀戸工場の女子労働者を対象に労働女塾を開き,翌年の東洋モスリン争議を支援。その後共産青年同盟活動で入獄した。…

※「東洋モスリン争議」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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