松平定信墓(読み)まつだいらさだのぶのはか

国指定史跡ガイド 「松平定信墓」の解説

まつだいらさだのぶのはか【松平定信墓】


東京都江東区白河にある松平定信の墓。霊巌寺(れいがんじ)に所在し、1928年(昭和3)に国の史跡に指定された。墓所は本堂左側の一角に、四周に柵をめぐらして墓石が建つ。正面には「故白河城主楽翁(らくおう)公之墓」と刻まれている。松平定信は御三卿、田安宗武の子で、8代将軍徳川吉宗の孫。10代将軍家治の後継とも目されたが、田沼意次(おきつぐ)らにより白河藩松平家(久松氏)に養子に出され、1783年(天明3)、家督を相続して白河藩主となった。4年後、天明の飢饉対策などが評価されて老中首座に就任し、吉宗の享保の改革を手本とした寛政の改革を行い、緊縮財政風紀取り締まりによる幕府財政の安定をめざした。しかし、改革は失敗に終わり、1793年(寛政5)に辞職。白河に戻ってからは藩政に専念し、藩校の充実、『白河風土記』の編纂、一般庶民の教育機関の設置などの文教政策を進め、南湖の魚介養殖奨励などの殖産興業も行った。東京メトロ東西線ほか門前仲町駅から徒歩約15分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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