国指定史跡ガイド 「松本街道」の解説
まつもとかいどう【松本街道】
新潟県糸魚川市大野ほかにある北陸道の脇街道。越後糸魚川から信州松本にいたる全長約120kmの峻険な山越えの道で、日本海側からは塩や海産物が、信州側からは大豆・煙草・生薬・綿・麻などが、牛やボッカ(歩荷。山で荷物の運搬をする人)の背で運ばれた。この街道は、別名「塩の道」とも呼ばれ、塩をはじめ、街道周辺の人々の生活物資の輸送路として重要な役割を果たした。1892年(明治25)の新道開通で古来からの役割を終えたが、林業用道路など地域住民の生活の道として利用され続け、遺存状態が良好なことなどから、境界が確定できた約5kmの古道と石仏群、茶屋跡、ボッカ宿跡などの関連遺跡が2002年(平成14)に国の史跡に指定され、2007年(平成19)に追加指定が行われた。JR大糸線根知駅から徒歩約1時間10分。