朝日日本歴史人物事典 「松村理兵衛」の解説
松村理兵衛
生年:享保6.3.15(1721.4.11)
江戸中期の治水家。幼名竹五郎。名は忠欣。信濃国伊那郡前沢村(長野県中川村)で生まれ,15歳のとき田島村(中川村)の松村家の養子となる。田島付近は天竜川が蛇行したところへ前沢川が流入していて,常習的な水害地帯だった。理兵衛は農地を守るためにここに堤防を築こうとしたが容易なことではなく,寛延3(1750)年に始めた工事は,子の常邑,孫の忠良に受け継がれ,3代およそ60年を経て文化5(1808)年にようやく完成した。今に理兵衛堤防の名が残っている。<参考文献>磐田市史シリーズ編纂委員会編『天竜川流域の暮らしと文化』上
(斎藤洋一)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報