朝日日本歴史人物事典 「松根図書」の解説
松根図書
生年:文政3.12.7(1821.1.10)
幕末の宇和島藩(愛媛県)家老。号は三楽。嘉永4(1851)年家督を継ぎ,安政2(1855)年家老に就任した。藩主伊達宗城(第8代),宗徳(第9代)の2代にわたって仕えた。主に財政,民政を担当し,用水路の修築や河川の改修を行ったほか,海産物・紙・茶・蝋などの生産・専売を図り,藩内商人を長崎貿易に従事させ,それらの産物を取り扱わせた。さらに,逃亡中の高野長英,村田蔵六(大村益次郎)らを招き,西洋兵学の教授や洋式砲台の建設を行わせた。英国公使パークスの来藩をも画策し実現させている。松根家は代々生首を家の旗印とした。図書の孫には俳人松根東洋城がいる。<参考文献>『愛媛県史 近世下』
(長井純市)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報