松野礀(読み)マツノ カン

20世紀日本人名事典 「松野礀」の解説

松野 礀
マツノ カン

明治期の林学者 林業試験所所長。



生年
弘化3年(1846年)

没年
明治41(1908)年5月14日

出生地
江戸(東京)

主な受賞名〔年〕
勲五等

経歴
明治3年北白川宮能久親王に随行して渡欧し、プロシアのエーバースワルデ山林学校で学ぶ。帰国後、10年内務省地理局に入り、山林局を創設、全国の森林事務台帳を調製した。17年西ケ原に東京山林学校設立、校長兼教授となり、のち東京農林教授、36年林業試験所所長に就任した。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「松野礀」の解説

松野礀 まつの-かん

1846-1908 明治時代の林学者。
弘化(こうか)3年生まれ。ドイツのエーバースワルデ山林学校で森林学をまなぶ。内務省にはいり,山林局を創設。のち東京山林学校長,東京農林(のち帝国大学農科大学)教授,林業試験所長を歴任し,わが国の林学を創始した。妻は松野クララ。明治41年5月14日死去。63歳。本姓大野

松野礀 まつの-はざま

まつの-かん

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の松野礀の言及

【林学】より

… 日本では江戸時代の初めより木曾のヒノキ林における伐採,水運による搬出技術が発達し,18世紀ころより吉野林業などのスギ人工林造成技術も確立しているが,学問としての発達はない。日本の林学は,1875年に松野礀(はざま)(1847‐1908)がドイツで林学を習得して帰朝したときより始まる。彼は帰朝後,まず山林局の組織をつくり,その後,山林学校の創設(1882),林業試験場の設立(1905)など,日本の林業行政・教育・研究の基礎をつくった。…

※「松野礀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android