柳下郷(読み)やぎしたごう

日本歴史地名大系 「柳下郷」の解説

柳下郷
やぎしたごう

現小田原市酒匂さかわ鴨宮かものみや付近にあった。楊下・楊木下・八木下とも記される。貞和二年(一三四六)閏九月七日の雑掌澄宣請文案(県史三)によれば、当時走湯山(伊豆山)密厳みつごん院領で、丸子まりこ(現酒匂川)の流末にあたるため、田畠ともに崩れ失われて有名無実の地となり、また当郷鎮守は「賀茂・八幡両社」で、「海道路次」にあたっていた。

南北朝・室町時代のものと思われる年未詳密厳院寺領目録(同書)には、治承三年(一一七九、四年の誤りか)一二月二八日に「柳下やきしたの郷」が頼朝から寄進されたとする。その根拠とされたのは走湯山の別当聞養房覚淵に対して当郷の条々公事などを免除すべきことを通達した同四年一二月二八日の源頼朝下文(県史一)であろう。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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