柴灯護摩(読み)さいとうごま

改訂新版 世界大百科事典 「柴灯護摩」の意味・わかりやすい解説

柴(採)灯護摩 (さいとうごま)

修験道独自の護摩儀礼。野外に護摩木や藁(わら)などを積み上げ,そこへ仏菩薩を招き点火する。その火により修験者の煩悩を焼き尽くすとともに,天下国家安穏,家内安全五穀豊穣などを祈願する。修験者自身の修行として行う場合もあれば,寺院の年中行事のとき,あるいは信徒の諸祈願にこたえる場合にも執行される。護摩木は人間の煩悩をあらわし,その護摩木を井桁に積み上げるのは,人間の罪垢井戸のように深いからであると説明される。なお一般に本山系(天台系)修験では柴灯護摩と表記し,当山系(真言系)修験では採灯護摩を用いている。
火渡り
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関連語 星野

世界大百科事典(旧版)内の柴灯護摩の言及

【小木】より

…修験道の中心的儀礼である柴灯(さいとう)護摩(採灯護摩)において用いる護摩木のことをいう。長さは通常1尺5寸(約50cm)である。…

【護摩】より

…また,護摩木の燃え残りや灰を服用したりお守りとする信仰も広く行われ,かつて高野山奥の院の護摩の灰は最も有名であったが,悪用されたことから悪人の代名詞となった。護摩は修験道や神道でも行われ,とくに修験道では野外で盛大な火を焚く柴(採)灯(さいとう)護摩を生んだ。これは密教の護摩と民間信仰の火祭が習合したものである。…

※「柴灯護摩」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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