栄明寺(読み)えいみようじ

日本歴史地名大系 「栄明寺」の解説

栄明寺
えいみようじ

[現在地名]府中市元町

本山もとやまから南流する音無おとなし川の左岸にある。真言宗系単立寺院、山号教王山、本尊薬師如来。「福山志料」は「備後全志通証」を引いて「モト銀山路ノ側ニアリ、天正ノ比今ノ処ニ移ス、大門ト云アサナアリト云」と天正期(一五七三―九二)移転を記し、旧版「広島県史」は初めまち村西南端の古屋敷ふるやしきにあったが、寛永一七年(一六四〇)現在地に移ったとしている。

大同四年(八〇九)弘法大師開基と伝え、「水野記」は「教王山医王院栄明寺(中略)宥範開基之地也、本尊薬師、弘法大師之御影并袈裟筆五大尊等什物也、謂備後国四箇之随一之寺也、毎歳於吉備津宮天下安全国主長久之祈祷也、古来寺領三百貫末寺三拾四軒也」と記し、安楽寺・敷谷寺・多門寺・常福寺・西龍寺・釈迦堂・東地寺・東之坊・神宮寺・宿院・法楽寺・多門坊・室善寺・安楽院・玉蔵坊などをあげるが、玉蔵坊など一七ヵ寺は破壊という。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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