核兵器と国際法(読み)かくへいきとこくさいほう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「核兵器と国際法」の意味・わかりやすい解説

核兵器と国際法
かくへいきとこくさいほう

核兵器の使用が健康や環境の観点から国際法に違反しているかどうかについて,国際司法裁判所の判断が求められている。 1993年5月の世界保健機関総会での決議によって勧告的意見を要請されたのを受け,国際司法裁判所は 94年に国連の全加盟国に陳述書提出を求めた。学説には,核兵器使用の禁止を明記する国際法がないことを根拠に合法とする説と,大量虐殺を禁止する国際条約に違反するという説,状況によっては違反とする説がある。日本政府は当初,「国際法に違反するとはいえない」との見解を提出する方針であったが,国会などでの反対を受け,「国際法の人道主義の精神に合致しない」との陳述を提出した。

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