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核兵器開発転用可能機器輸出事件 かくへいきかいはつてんようかのうききゆしゅつじけん

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知恵蔵2015の解説

核兵器開発転用可能機器輸出事件

核兵器の開発に転用可能な機器を無許可で輸出したとして、警視庁は2006年8月25日、大手精密機器メーカーミツトヨ」(川崎市)の副会長、社長、常務らを外国為替及び外国貿易法違反(無許可輸出)容疑で逮捕した。01年10月と11月、経済産業省の許可を得ないでマレーシアにある同社の現地法人に3次元測定機2台を輸出した疑い。このうちの1台とみられる測定機を含むミツトヨ製測定機3台が、国際原子力機関(IAEA)が03年末〜04年初めに核査察をしていたリビア国内で見つかった。3次元測定機は、対象物の一辺、奥行き、高さを同時に測定する機器で、自動車エンジン部やプロペラなどの立体的な部品の計測に使われる。一方で、核兵器の開発に必要なウラン濃縮を行う遠心分離機の形状測定にも使えるため、一定水準の精度を持つものは輸出の許可が必要。調べによると、IAEAの査察で見つかった機器は、マレーシアの同社法人がマレーシアの精密機器メーカーに販売後、リビアに流出していた。このメーカーは、「核の闇市場」にかかわるパキスタンの核開発者、カーン博士の側近のスリランカ人が役員を務めており、闇市場とのつながりが指摘されていた。リビアは当時、カーン博士の闇市場ネットワークのエンドユーザーだったとされ、北朝鮮イランと緊密な関係にあった。ミツトヨにはこのほか1997年頃、やはり核兵器開発に転用可能な測定機を通商産業省(当時)の許可を得ずに、東京都内のイラン系商社を通じてイランに輸出した疑いもある。イランでは02年、核施設建設が進んでいることを反体制グループが暴露、核開発問題が表面化した。イランは06年4月、低濃縮ウランの製造成功を発表した。

(緒方健二 朝日新聞記者 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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